第1章
計画の策定にあたって
1.計画策定の趣旨
出雲市ではこれまで、「バリアフリーのまちづくり計画」を障がい者計画として、障 がいのある人の前に立ちふさがっているバリアを取り除き、すべての人びとを個人とし て尊重し、人間として幸福に生きる権利を保障することを目標に、障がい福祉施策につ いて各施策の取組をすすめてきたところです。
障がいがあっても、一人ひとりが人間としての尊厳と権利を尊重され、自立し、社会 参加することができ、健康で安心して暮らせるまちの実現を目指してきました。
こうした中、昨今の社会情勢の変化及び障がい福祉法令等の改正により、障がい福祉 施策を取り巻く状況が大きく変化したことにより、新たな計画を策定する必要が求めら れてきました。
今回の計画策定は、これまで取り組んできた、障がいがあっても住みたいと思う地域 で、地域社会の構成員としてその人らしい生活ができる共生社会の実現を目指していく という考え方のもと、国の法改正の動向や本市における施策の課題等を踏まえながら障 がいのある人が地域において充実した暮らしのできる自立と社会参加のための取組をす すめていくために、新たに「出雲市障がい者計画」を策定しました。
2.社会情勢
・平成 9年(1997)∼ 平成12年(2000):社会福祉基礎構造改革 ・平成15年(2003):支援費制度
・平成17年(2005):障害者自立支援法の公布 ・平成22年(2010):障害者自立支援法等の改正
・平成23年(2011):障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法 律の公布(平成24年(2012)10月1日施行)
・平成23年(2011):障害者基本法の改正 ・平成23年(2011):障害者自立支援法の改正
・平成24年(2012):障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律 の公布(障害者総合支援法 平成25年(2013)4月1日施行) ※社会福祉基礎構造改革以降の法令
我が国では、平成9年(1997)から平成12年(2000)にかけて、社会福祉基礎構造 改革(※1)と呼ばれる社会福祉事業法が社会福祉法へと改正・改称されるなどの一連 の改革がなされました。
改革の理念では、サービス利用者と提供者との対等な関係の確保、多様なサービス提 供主体の参入促進、市場原理によるサービスの質と効率化の向上についてそれ以降の障 がい者福祉改革の方向性と連動しています。
この方向性に基づき、平成15年(2003)には身体障がい者、知的障がい者、障がい 児を対象として、従来の措置制度から契約制度に移行することを目的として、支援費制 度が施行されました。支援費制度の施行後、在宅サービスの利用者数の増加、障がい種 別ごとのサービス格差、サービス水準の地域格差、在宅サービス予算の増加と財源問題 などの課題が生じたため、こうした課題に対処するため平成17年(2005)に障害者自 立支援法が成立し、平成18年(2006)から施行されました。
障害者自立支援法は支援費制度で生じた課題を改善するため5つの視点を取り入れま した。
① 身体障がい、知的障がい、精神障がいの一元化 ② 市町村が一元的にサービス提供
③ 安定的財源確保 国・地方自治体が負担。利用者も負担 ④ 就労支援の強化
⑤ 支給決定の透明化・明確化
平成21年(2009)12月に国において障がい者制度改革推進会議が設置され、障害 者の権利に関する条約の批准と国内法の整備、障害者基本法の根本的な改正、障害者差 別禁止法、障害者自立支援法に代わる障害者総合福祉法などの検討が行われ、平成22 年(2010)12月には、「障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保 健 福 祉 施策 を 目指 すま で の 間に おい て 障害 者 等 の地 域生 活 を支 援 す るた めの 関 係法律 の整備に関する法律」(いわゆる「つなぎ法」)が成立しました。
この法律では、応能負担の原則、発達障がいを対象とする相談支援の充実、障がい児 支援の強化、グループホーム、ケアホームへの助成などが強化されました。
障害者自立支援法に代わる新しい法律は、平成24年(2012)6月に公布された「地 域 社 会 にお け る共 生の 実 現 に向 けて 新 たな 障 害 保健 福祉 施 策を 講 ず るた めの 関 係法律 の整備に関する法律」により「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するため の法律」(障害者総合支援法)となり、平成25年(2013)4月から施行されました。
ここでは難病を障がい福祉サービスの対象に加え、重度訪問介護の対象拡大、グループ
※1 社会福祉基礎構造改革
昭和26年(1951)の社会福祉事業法制定以来大きな改正が行われていなかった社会福祉
事業、社会福祉法人、措置制度など社会福祉の共通基盤制度について、今後増大・多様化が見込
まれる国民の福祉需要に対応するための改革。中央社会福祉審議会の社会福祉構造改革分科会で
平成9年(1997)11月から検討が行われ、平成10年(1998)6月に「社会福祉基礎構造改
革について(中間まとめ)」がとりまとめられ、同年12月に「社会福祉基礎構造改革を進める
に当たって(追加意見)」が公表された。これらを踏まえて平成12年(2000)6月に社会福祉
事業法が社会福祉法へと改正・改称され、また、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、児童福
祉法等の改正が行われ支援費制度が導入された。
ホーム、ケアホームの一元化、障がい程度区分に代わる障がい支援区分による支給決定 などの見直しが行われました。
平成18年(2006)、第61回国連総会において、法的拘束力のある条約で「障害者 の権利に関する条約」が採択され、日本はこの条約に平成19年(2007)に署名し、平 成26年(2014)に批准書を寄託しました。
わが国では、障害者の権利に関する条約の批准に向けて国内的な環境整備を行ってき ました。平成23年(2011)6月には、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する 支援等に関する法律」が成立し、障がい者の虐待防止に国と自治体の責務が定められ市 町村、都道府県の窓口として、それぞれ市町村障害者虐待防止センター、都道府県障害 者権利擁護センターが設置されました。
平成23年(2011)8月には、障害者基本法の一部改正法が成立し、障がいの定義の 見直し、地域社会における共生、必要な支援を受けた自己決定に基づく社会参加の権利 の確認等、重要な改正があったところです。
平成25年(2013)6月には、障害者基本法第4条に規定された「差別の禁止」を具 体化し、それが遵守されるための具体的な措置等を規定した「障害を理由とする差別の 解消の推進に関する法律」(障害者差別解消法)が制定され、平成28年(2016)4月 から施行されます。
3.計画の位置づけ
本計画は、障害者基本法第11条第3項に基づく市町村障がい者計画であり、本市の 障がい福祉施策の基本的な方向性を示す計画です。
また 、障 がい 福祉 サ ービ ス等 の提 供体 制 に関 する 事項 を定 め た障 害者 総合 支援 法第 88条に基づく市町村障がい福祉計画(第4期出雲市障がい福祉計画)を包摂し、2つ の計画を一体的に策定します。
そして、国の「障害者基本計画」や「島根県障がい者計画」の内容を踏まえるととも に、本市のまちづくりの方向性を示した「出雲の國づくり計画」における取組と連動し ます。
なお、「出雲市地域福祉計画」や「出雲市高齢者福祉計画・介護保険事業計画」、「出 雲市子ども子育て支援計画」など関連する計画等との関係性を維持します。
4.計画の期間
本計画は、平成27年度(2015)から平成32年度(2020)までの6年間を計画の期 間とします。
「第4期出雲市障がい福祉計画」については、平成27年度(2015)から平成29年度 (2017)までの3年間を計画の期間とします。
平成24 年度
平成25 年度
平成26 年度
平成27 年度
平成28 年度
平成29 年度
平成30 年度
平成31 年度
平成32 年度
前 障がい者計画
新 障がい者計画 (障害者基本法)
6か年
第3期障がい福祉計画
第4期障がい福祉計画 (障害者総合支援法)
3か年
第5期障がい福祉計画
5.計画の策定体制
本計画の策定にあたっては、障がいのある人等へのアンケートやサービス事業所への アンケートを行い、障がい福祉施策への住民意識や障がいのある人の実態、各種サービ ス利用状況や利用意向の把握、サービス事業所のサービス実態状況の把握を行いました。
また、関係機関、団体の代表、事業者の代表、学識経験者等で構成する障がい者施策 推進協議会において計画内容の審議を行いました。